クレジットカードには、不正利用されるというリスクがあります。最近はクレジットカード犯罪の手口も複雑になってきているので、カード会員が気付かないうちに不正利用されるケースが増加しています。
しかし、クレジットカードにはそうした不正利用に対して補償するサービスがあり、クレジットカード会社内部でも不正利用を早期に発見するシステムを採用しています。
クレジットカード会員は最低限度の注意をしていれば、たとえ不正利用されても損害を被ることはありません。
ここでは不正利用への対策やカード会員の注意事項を解説していますので、安心してクレジットカードを利用する参考にしていただければと思います。
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クレジットカード不正利用の主な手口
クレジットカードを悪用する犯罪は、クレジットカード会社の対策が進むにつれて手口が変化しています。
いわゆるイタチごっこが繰り返されていますが、現在の主流はクレジットカード本体ではなくカード情報を盗み出して悪用する犯罪です。
カード犯罪の手口を知ることは予防にも役立つので、知識として覚えておきましょう。
クレジットカードの盗難紛失による不正利用
クレジットカードが普及した当初は、クレジットカード本体を盗み、本人に成りすまして悪用する犯罪が多発していました。窃盗団として全国を回って車上荒らしをする犯罪集団もあったくらいです。
この時代は、盗難紛失届を出してからカード加盟店に無効通知が届くまで1週間以上経過していました。郵送やファックスというアナログな通知方法だったからです。
今ではクレジット端末機の普及により、無効がリアルタイムで反映するようになっているので、なりすましによる犯罪は減少しています。
スキミングとクレジットカード偽造
『スキミング』は、クレジットカードの磁気情報を盗み出して、その情報を全く別のクレジットカードに移し替えて悪用する犯罪です。
スキミングをするには本物のクレジットカードをスキマーと呼ばれる装置に通さなくてはいけません。そのため、クレジットカード加盟店でカード利用した時にすきを見てスキマーでカード情報を盗む手口です。
加盟店そのものが悪質である場合や、従業員が犯罪組織の一員であることが考えられます。
フィッシング詐欺
『フィッシング詐欺』は、インターネットや電子メールを悪用して、クレジットカード番号や暗証番号を盗み出す犯罪です。クレジットカードだけではなく、キャッシュカード情報、銀行口座のIDやパスワードなども犯罪の対象となります。
主に電子メールでターゲットをホームページに誘導します。そのホームページは実在の銀行やクレジットカード会社にそっくりに作った偽物です。そこでセキュリティ対策などと偽ってカード番号や暗証番号などを入力させる手口です。
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クレジットカードに備わっている不正利用対策
カード盗難保険
ほとんどのクレジットカードに標準装備されているのが、カード盗難保険です。
たとえ不正利用されても、クレジットカードの請求に対する支払い義務はカード会員にあります。ただし、カード盗難保険や補償サービスに適用される場合は、例外としてカード会員は請求を免れることになります。
ちなみにクレディセゾンはカード盗難保険に加入していない珍しいクレジットカード会社ですが、自社に調査部門がありカード盗難保険と同様に不正利用されても補償を受けることができるので心配はありません。
ネットでの不正利用の被害補償
最近多くなったネットでの不正利用に対して補償するサービス付きのクレジットカードが増えています。
カード盗難保険はあくまでクレジットカード本体が盗まれたり、紛失したりといったケースに適用されます。
ネット上で悪用される場合クレジットカードはカード会員の手元にあります。カード情報だけを盗み出す犯罪にはカード盗難保険が適用されないケースが多いのです。その隙間を埋めるサービスと言えるでしょう。
クレジット端末機とオーソリゼーション
普段カードショッピングで利用しているクレジット端末機も、クレジットカードの不正利用防止という意味があります。
クレジット端末機では、そのクレジットカードが正常に利用できるかどうか承認するオーソリゼーションが行われます。
無効登録の有無、カード利用枠のチェック、支払い遅延の有無などで問題がなければ、オーソリゼーションが承認され承認番号が発行されるしくみです。
クレジット端末機はクレジットカード会社のホストコンピューターに接続されています。そのためカード無効登録の情報もリアルタイムで反映され、偽造カードの利用は、ほぼ不可能となっています。
クレジットカード会社の不正利用検知システム
クレジットカード会社の中には自社内にクレジットカードのセキュリティ部署があり、24時間体制ですべてのカードオーソリゼーションをチェックしています。
今までと違うパターンでカード利用が行われたり、数年使われていないカードで高額の買い物があったりすると、リストアップされます。担当者はそのリストに基づきカード会員に直接連絡して正常利用かどうかを確認するシステムです。
これは不正利用があったとしても、請求前にカード会員に連絡を取るのでカード会員の不安を取り除くことができます。
もしクレジットカードのセキュリティに不安があって、カード利用をためらっているのであれば、セキュリティにも力を入れているクレジットカード会社のカード利用するのがおすすめです。
銀行系クレジットカード会社と言われている三井住友VISAカード、JCB、三菱UFJニコスであれば、セキュリティの面では万全です。
⇒セキュリティ第一!安全性の高いおすすめクレジットカード3選
クレジットカード会員が自分を守るためにすべきこと
クレジットカードを申し込むときの注意点
暗証番号は第三者に推測されないよう、生年月日、電話番号、連続番号などは避けましょう。
万一暗証番号が推測されて悪用されると、カード盗難保険は適用されません。暗証番号の管理が悪い場合はカード会員の過失とみなされるからです。
クレジットカードが最初に届いたときにすべきこと
クレジットカードを手にしたら、まずカード裏面にサインをしましょう。クレジットカードが盗まれた場合、裏面にサインがないと勝手に書き込まれてしまうのでカード会員の過失になります。
日本国内ではクレジットカード端末機が普及しているので、なりすましによる犯罪は少ないですが、特に海外旅行先ではサインは重要です。
海外ではまだ旧式の手書きによるカード伝票が使われていることがあるので、なるべく漢字の署名を使用するほうが安全です。
クレジットカードを利用するときの注意点
暗証番号は、第三者や家族にも知られないようにすることは大原則です。
またクレジットカードは常に携帯し、家の中や車の中に保管することも禁止されています。カードの保管義務はカード会員規約にも記載されているので、義務違反と判断されるとカード盗難保険の適用外になる可能性があります。
また、スキミング防止のためにもカード加盟店で利用するときもクレジットカードから目を離さないようにすることが重要です。カード会員から見えないところでクレジット端末機を使う加盟店はありません。
もし、クレジットカードを店の奥などに持っていこうとした場合は、強く拒否するくらいの態度が必要です。
不正利用に気づいたときにすべきこと
クレジットカード情報だけを盗み出す手口が多い現在では、カード会員が不正利用に気づくのはクレジットカードの請求書をチェックするときだけです。
毎月必ずチェックすることが重要ですが、身に覚えのない請求があったら、不確かな場合でも必ずクレジットカード会社に連絡しましょう。
カードの紛失の場合も同様に紛失届をすぐにすることが必要です。警察への連絡も重要ですが、クレジットカード会社への連絡が最優先です。届けた時点で無効登録されるので不正利用を未然に防止できます。
また補償期間は届け出日が基準となるので、なるべく早く届けることが必要です。
まとめ
世の中には、クレジットカードに関する犯罪や不正利用も多いのは間違いありませんが、それに対処するクレジットカードのサービスやクレジットカード会社の対策も進化し続けています。
それでも未然にカード犯罪を防止することは難しいですが、クレジットカードに付帯されている補償サービスや保険などで、クレジットカード会員には負担がないような仕組みになっています。
クレジットカードのセキュリティに不安を覚えていた人も、これからは安心してクレジットカードを活用して下さい。