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実は心配無用?クレジットカードの使いすぎ防止対策

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クレジットカードは使いすぎてしまうので、あまり使いたくないという人は意外に多いのかもしれません。

10年ほど前に多重債務が社会問題となったことがありましたが、その中でクレジットカードのキャッシングも問題になりました。金利が高いうえに簡単にお金を引き出すことができたからです。

当時であればクレジットカードは使いすぎてしまうという心配もわかりますが、現在ではまったく事情が違っています。

ここでは、”クレジットカードは実は使いすぎる心配のない安全な決済手段である”ということをお伝えしたいと思います。

クレジットカードに使いすぎの心配がないことが分かれば、それまでの不安も解消されてクレジットカード決済を積極的になるでしょう。それはさらにクレジットカードのお得なサービスを実感することにもつながります。

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クレジットカードの利用枠と法規制

VanimaMela / Pixabay

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クレジットカードには、「ショッピング枠」と「キャッシング枠」があります。そのどちらも法律規制され、無制限に増枠することはできません。

キャッシング枠は貸金業法によって、ショッピング枠は割賦販売法によって規制されています。そのためクレジットカードの総利用枠はカード会員それぞれ違います。

⇒クレジットカードのキャッシング枠とは?カードローンと違いを解説

それでは、個別の利用枠はどうやって決定されるのでしょうか?

クレジットカード一枚の利用枠

カード一枚の利用枠はクレジットカードによって異なっていますが、一般カードであれば10万円~100万円までの利用枠の幅があります。

この範囲内でカード会員の年収、支払い能力、過去の利用状況、他社の利用残高・利用枠を考慮し、クレジットカード審査によって決定します。このときはもちろん法律による規制も考慮されています。

利用枠は増枠の申請をすることもできますが、海外旅行などで一時的な増枠も可能です。どちらの増枠も審査が行われるので、申請したからといって必ず増枠されるとは限りません。

後述しますが、この増枠申請をしたらとんでもないことになったという実例もあります。

具体的な規制内容は後述しますが、キャッシングは新規申し込み時だけでなく3か月1回程度個人信用情報機関で他社の残高チェックも行っているようです。

またショッピング枠は新規申し込み時、増枠申請時、カード更新時にも利用枠のチェックが行われます。法規制以前では考えられないチェック体制です。現在では使いすぎどころか、もう少し規制をゆるめてほしいと思っている人が多いかもしれません。

カード会員一人に対する利用枠

クレジットカード一枚に対しても利用枠の上限がありますが、上限いっぱいのクレジットカードを何枚も持つことはできません。年収に合わせてカード会員一人に対する利用枠にも上限があるからです。

キャッシング利用枠を設定する場合は、他社を含めてすべての融資残高、キャッシング利用枠の合計が年収の1/3を超えることはできません。そのため、キャッシング利用枠を設定する場合はクレジットカードでも所得証明書の提出が必要になることがあります。

特にキャッシングは必要ない場合やカードローンをすでに持っている場合は、キャッシング利用枠をゼロにして申し込むほうが簡単です。

ショッピング利用枠は割賦販売法で規制されていますが、キャッシングより複雑な計算式があります。「支払可能見込額」を算出しないといけないからです。

支払可能見込額は「年収」から「年間請求予定額」と「生活維持費」を差し引いた金額のことです。ショッピング利用枠は支払見込額の90%が上限となります。

支払可能見込額=年収-年間請求予定額-生活維持費

上記の計算式で、年収は申込書に記載された自己申告の金額です。年間請求予定額は他社利用の残高などから算出した既存の年間支払額となります。

生活維持は法律で決められていて、持ち家の有無、住宅ローンの有無、世帯人数で決められています。キャッシングは年収を所得証明書でチェックしますが、ショッピング利用枠は自己申告という点がミソです。

もしショッピング利用枠も所得証明書が必要となった場合、クレジットカードを申込人は激減するでしょう。しかし、支払可能見込額は新規申し込みだけではなく、カードを更新するときと増枠申請があったときもチェックされます。

最近ネット上で、増枠申請をしたらクレジットカードが停止になったといった情報を見かけます。これは増枠申請時に支払可能見込額がチェックされ、利用枠がオーバーしていることが分かった結果でしょう。増枠申請をしてカードが使えなくなるというのは笑えない状況です。

支払可能見込額によって算出されるカード利用枠の上限が適用されるのは個別のクレジットカードです。しかし、該当するカード以外の年間請求予定額が反映されるので、カード会員個人に対する利用枠も必然的に無制限にはなりません。

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リボ払いと使いすぎ

geralt / Pixabay

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クレジットカード会員として注意しなければいけないのは、リボルビング支払いです。

リボ払いにするとポイントが2倍になるというだけで、安易に1回払いでも自動的にリボ払いになるサービスを利用すると、利用枠がすぐに上限となってカードが使えなくなります。実際に、いつの間にか100万円の利用枠がいっぱいになって使えなくなっていたという例もあります。

もちろん毎月請求書をチェックしていればこのようなことにはなりません。リボ払いを利用するときは請求書のチェックを毎月する必要があります。使いすぎで残高が増え続け、手数料負担が大きくなることを防止できます。

最近ではリボ専用カードが増えていますが、使い方しだいで手数料負担は軽くすることができます。ポケットカードが発行しているP-one WIZはリボ払い専用カードで、年会費無料、請求金がいつでも1%オフになる上にポイントプログラムまであるお得なクレジットカードです。

おすすめの理由はこうした特典だけでなく、支払い方法の中に「ずっと全額コース」があるところです。この支払方法に設定しておくことで手数料負担はかなり軽減されます。

⇒リボ払いと分割払いの違いとは?手数料・利子を比較すればどちらがお得かは明白

まとめ

数十年前のクレジットカードの利用枠は、支払い遅延がなければ毎年自動的に利用枠が増額していました。一般カードでさえ200万円の利用枠になるカードも珍しくありませんでした。

しかも、ほかのクレジットカード会社でも同じように高額な利用枠のクレジットカードを持つことができたので、それほど年収がなくても一人で数百万円の利用枠を持つことも可能だったのです。

また、キャッシング利用枠はカード全体の利用枠に比例して自動的に大きくなっていました。貸金業法でも現在のような規制はなかったので、カード利用枠の半分はキャッシング利用できたのです。これでは使いすぎて多重債務に陥る人が増えたのも無理はありません。

現在では法規制で利用枠は制限され、多重債務になるほどの利用枠は与えられなくなりました。しかも、定期的にチェックが行われているため抜け道もありません。クレジットカード会社だけではなく消費者金融業界とも連動して残高のチェックを行うことができるからです。

このように、現在のクレジットカードでは使いすぎを心配する必要はありません。

唯一気を付けなければいけないのは、リボ払いを利用する場合でしょう。それもそれほど大きな利用枠を設定しなければ、手数料負担は若干大きくなりますが、生活に影響が出るほどの影響はありません。

使いすぎが不安な人でも安心して利用することができます。むしろ現金払いよりもセキュリティの面でしっかりしているクレジットカードのほうがおすすめです。

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