昔はクレジットカードといえば磁気テープがほとんどでしたが、最近のクレジットカードではICチップが付帯されていることが多くなりました。
ICチップがないカードよりも、ICチップ付きカードの方がセキュリティ的安全であろうことはイメージ的に分かると思います。となると、現在ICチップなしのクレジットカードを使っている人は、
「え、ICチップなしだと何がヤバいの? ICチップありのカードにした方がいいの?」
と不安を覚えるかもしれません。
そこで今回は、今さら聞けないICチップの基本である
- ICチップがないクレジットカードは危険?
- ICチップを後からつけることはできる?
- ICチップ付きでセキュリティに強いおすすめカード
といった点をまとめていきます。
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ICチップのないクレジットカードはなにが危険でなにが困るの?
ICチップの有効性は明白なものの、まだまだICチップが付帯しているクレジットカードは少ないのが現状です。
ICチップが付帯していない場合はどんなことが懸念されるのでしょうか?
ICチップなしのクレジットカードはスキミング被害に遭いやすい
ICチップが付帯していないクレジットカード、つまり磁気カードの場合は、読み取り作業が単純で素早くできてしまうため、スキマーに通すだけでカード情報を簡単に読み取られてしまいます。
つまり、スキミングの被害にあう可能性が高くなってしまいます。
「スキミング」というのはクレジットカード詐欺被害の王道の手口で、磁気ストライプに書き込まれているカード情報を瞬時に抜き出し、全く同じ情報を持つ偽造カードを作ってしまう手法です。
磁気カードだと読み取り情報が少なく、情報の更新もほとんどされないため、短時間で簡単に情報を抜き取られてしまいます。読み取りする工程も非常に素早いため、ちょっとトイレに行ったすきに被害にあってしまうなんてことも少なくありません。
スキミングが厄介なのは、カード自体を盗まれるわけではないので、本人が被害に気づきにくいところです。
こうした被害の対策として、近年のカード類は偽造が困難なICチップ入りのカードへと移行しているわけですね。
ICチップであれば読み取り情報が桁違いに多く、常に新しい情報に更新されており、さらには情報の暗号化もされているため、情報を読み取るのが複雑な仕組みとなっています。
つまり、ICチップなら偽造が極めて困難になり、セキュリティが大幅に向上します。
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ICチップがないと海外でクレジットカードを使えない可能性がある
その他にもICチップがないと困ることがあります。
それは、海外でクレジットカードを利用できなくなる可能性があるということです。
特にクレジットカードの普及が進んでいるヨーロッパではICチップが付帯カードが当たり前なので、ICチップがないクレジットカードの場合は利用を断られてしまうケースもあります。
いざという時クレジット決済ができないとせっかくの海外旅行が台無しになんてことにもなりかねない事態が発生しかねません。なので海外へ行くときに1枚はICチップ付きのクレジットカードを保有しておくことをおすすめします。
また、経済産業省はクレジットカードにICチップを付帯させることを義務化させようとしています。
今後日本でも、ICチップがないクレジットカードは利用できなくなる可能性が十分に考えられますので、今からでも可能な限りICチップ付きのクレジットカードを利用していく方が良いでしょう。
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ICチップのないカードに後からICチップを付帯できないのか?
もし手持ちのクレジットカードにICチップが付帯していない場合、あとからICチップを付けることができれば嬉しいところ。
現時点では、磁気カードしか発行していないカードに対してはICチップを付けることはできませんが、ICチップが付帯したクレジットカードを新しく発行開始しているカードの場合は、(後からでも)付帯させることが出来ます。
原則として、次の更新月から順次発送されますが、それ以外でもサービスデスクなどに直接問い合わせるとICチップ付きのクレジットカードを新たに発行できる場合があります。
ICチップ入りにしてもらう場合はカード番号などが変わってしまう可能性が高いですが、セキュリティ面は大幅に強化されますので、新しくICチップ付きのクレジットカードを導入している場合は切り替えをお願いしてみるのも良いでしょう。
ちなみに最近では、2015年10月から外資系のアメリカンエキスプレスカードが、2016年2月から同じく外資系ダイナースクラブカードがICチップを付帯させるようになりました。
一方の日本では、東京オリンピックがある2020年までに国内で発行されているすべてのクレジットカードにICチップを付帯させる計画が進んでいますので、今後このICチップが付帯されているクレジットカードは増えてくるでしょう。
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ICチップ付帯でセキュリティに強いカードなら三井住友VISAカード
これから新しくカードを作る人は、ICチップ付帯のクレジットカードを選んだ方が良いでしょう。
ICチップ付帯でセキュリティが高く、かつ初心者向けでもあるおすすめカードは「 三井住友VISAクラシックカード 」ですね。三井住友VISAカードの中で最もスタンダードな1枚です。
三井住友VISAカードはセキュリティに非常に強く、ICチップはもちろんのこと、希望すればカード裏面に顔写真を載せることも可能です。
さらにカード会社が24時間体制で不審な決済がないか顧客の利用状況をチェックしており、不正利用の疑いがあればすぐに対応してくれるというセキュリティレベルの高さです。
さすが銀行系カードとあって、安心と信頼には確かなものがあります。
クレジットカードの不正利用を心配する人は、ICチップ付きでセキュリティが徹底された三井住友VISAカードが最も堅実で良いかと思います。
スタンダード 三井住友VISAクラシックカード
ゴールド 三井住友VISAゴールドカード
ICチップ入りクレジットカードの注意点
傷がつくと磁気不良になりやすい。ICチップ付きカードの取り扱いは丁寧に。
以上のようにセキュリティ面では強みを持つICチップですが、ICチップは精密にできていますので、外からの衝撃に弱いという弱点があります。
ICチップに傷や汚れがついてしまうと利用できなくなることがあるので取り扱いには注意が必要です。
ダメな例
- 財布に入れて、出し入れしている間にこすれてしまう
- スマホや電気製品などの磁気を近づけてしまう
- 利用しているうちに指紋や汚れが付着してしまった
よくありがちな具体例をあげると、
などなど、上記のように普通に利用しているだけでも、下手すると利用できなくなってしまうことがあるというのがデメリットです。
再度、ICチップの取り扱いについては十分注意をする必要があります。
暗証番号の取り扱いは厳重に!
このICチップ付きのクレジットカードは、暗証番号を知らなければ利用することが出来ません。逆に言うと、暗証番号を知っていれば利用することが出来てしまいます。
4桁しかない暗証番号なので、暗証番号自体のセキュリティには疑問符が残ります。この暗証番号を他人に知られてしまい、カードが盗まれてしまう。
この2つの行為のみで、ICチップが付帯していてもカードの不正利用がされてしまう可能性があります。
絶対に暗証番号は知られないよう気をつけましょう。生年月日など推測されやすい番号をつけるのは言語道断ですよ。
とはいえ、不正利用されたときにサインによる筆跡確認を行うことが出来ないシステムにはやや不安が残りますよね。。
まとめ
今後は日本でもICチップ付きクレジットカードに切り替わっていくはずなので、今からクレジットカードを作る人はさほど心配いらないかもしれませんが、現在ICチップなしのクレジットカードを使っている人は、
- カード会社に問い合わせて、可能であれば後からでもICチップ入りカードに切り替える
- ICチップ入りのクレジットカードを新しく入手する
などして、ICチップ入りカードを使うようにした方が絶対にいいです。
ICチップ化すればセキュリティ面のメリットは大きいもので、磁気カードよりも不正利用される可能性は極めて低くなります。
スキミングの被害はクレジットカードを利用した犯罪の中でも極めて多く、スキミングを防げるだけでも不正利用される可能性は大幅に減少しますからね。
ちょっとした手間で大きな損害を防ぐことができるのなら、絶対にしておいた方がいいです。