クレジットカードはショッピングに使うのが一般的ですが、公共料金の支払いにも使えるケースがあります。
公共料金というのは、料金の設定に国や地方自治体の認可が必要な料金のことです。一般的には電気・ガス・水道といったライフラインに関わるサービスの料金のことですが、ここでは広く毎月課金される料金も含めてお話しします。
ショッピング以外のサービスにも利用できるのがクレジットカードのメリットですが、単に料金を支払うだけではないメリットがあります。
ここではそうしたメリットを利用したクレジットカードの節約術を紹介します。
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クレジットカードで公共料金を支払うメリット
最も大きなメリットは、何といってもポイントサービスです。なるべく還元率の高いクレジットカードを公共料金の支払い専用にして利用すると効率的でしょう。
ただし、電気料金には口座振替の割引があり(北海道、東北、沖縄を除く)、クレジットカード決済に切り替えるとそのメリットがなくなります。
口座振替の割引は毎月54円なので、それ以上のメリットがなければ電気料金単独ではマイナスのケースも生じます。トータルでプラスになるのであれば、ポイント以外のメリットも考えると、むしろ電気料金だけカード決済しないことがデメリットになります。
詳細は後述するので自分の電気料金に照らし合わせてチェックしてみてください。
もう一つのメリットは、クレジットカード決済に統一することで支払いの管理が簡単になり、支払い日も同じになるという点です。これは目に見えるものではありませんが重要なメリットです。
電気、ガス、水道はもちろんですが、電話料金、プロバイダー料金、新聞代、NHKなど毎月支払わなければいけない料金はたくさんあり、それぞれ支払日が違っていれば管理が大変です。一人暮らしや主婦の方は、かなり手間がかかることが実感できるでしょう。
これらの支払いすべてが毎月同じ日に自動で引き落とされるメリットは意外に大きいのです。最近では、自治体によって固定資産税や自動車税でもクレジットカード決済できるところがあります。
自分が住んでいる地域の情報を確認して、なるべく多くのしはらいカード決済をするとメリットも大きくなります。
電気料金と国民年金保険のクレジットカード決済のメリット・デメリット
電気料金と国民年金保険料に支払いは割引や前納制度があるので少し特殊なので、個別に詳細を解説したいと思います。
電気料金のクレジットカード決済が節約につながる分岐点
前述の通り、一部の電力会社を除いて、電気料金を口座から引き落としにすると月間54円割引になります(割引金額は変動することがあります)。
しかし、クレジットカード決済にするとこのメリットも放棄することになるので、支払う料金が逆に多くなってしまいます。
そこでいくら電気料金を支払っている人なら、クレジットカード決済でメリットが生じるのか計算してみましょう。
クレジットカードのポイント還元率1%で計算してみます。
54円 ÷ 1% = 5400円
つまり、毎月5400円を超える電気料金を支払っている場合は、クレジットカードに切り替えたほうが電気料金だけを考えるとお得です。
ポイント還元率によって違うので、高還元率のクレジットカードを使えばもっと分岐点は低くなります。例えば還元率1.5%なら3600円が分岐点です。
一人暮らしを除けば、分岐点を超える電気料金を支払っているのが一般的ではないでしょうか?
また、クレジットカード決済のメリットのひとつは支払いをまとめて管理できる点にあります。すべての支払いをトータルで考えれば、電気料金のマイナスも十分にカバーできます。
国民年金保険料のクレジットカード決済
国民年金保険料がクレジットカードで支払えることを知らなかった人もいるかもしれません。クレジットカードが使えるということは、国の機関が加盟店手数料を支払っているということです。
通常2~3%かかる加盟店手数料ですが、国民年金保険の場合は1%未満という情報もあります。いずれにしても一般の加盟店とは違う扱いなのは間違いないでしょう。
国民年金保険料の支払いには前納制度があり、最も割引率が高いのは口座振替による前納です。
クレジットカード決済は現金払い扱いとなるので、口座振替の割引は適用されません。加盟店手数料負担があるので割引率を高くできないのでしょう。
国民年金保険料前納割引の比較(平成28年度)
前納 | 口座振替 | 現金払い | 差額 |
6か月 | 96,450 | 96,770 | 320 |
1年 | 191,030 | 191,660 | 630 |
簡単な表ですが、2年前納は口座振替が条件なので1年と6か月で比較してみました。
現金払い(クレジットカード決済含む)は口座振替に比べて、それぞれ320円、630円多く支払います。しかし、還元率1%でポイント計算するとそれぞれ960円、1900円相当のポイントが獲得できます。
結果としては、口座振替で前納するよりは640円と1270円節約になります。
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公共料金の支払いにおすすめのクレジットカードと、絶対やってはいけないこと
リボ払いでの支払いは絶対NG!
公共料金のように、毎月必ず支払わなければいけない料金をクレジットカード決済する場合、”絶対にやってはいけないこと”があります。
それは、リボ払いで決済することです。
リボ払い専用カードで決済したり、1回払いも自動的にリボ払いになるサービスを利用したりすることは厳禁です。手数料負担がかかり、メリットがなくなるという点でも節約になりませんが、それ以上に残高が増え続けることに問題があります。
毎月3万円の公共料金支払いがあるとして、月々1万円のリボ払いを続けると毎月2万円の残高が残ります。利用枠が30万円であれば1年と少しで利用枠がいっぱいになります。
それまでにかかった手数料も相当な金額になりますが、利用枠がいっぱいになれば公共料金の支払いも利用枠オーバーで決済できなくなります。これでは公共料金をまとめて意味もなくなってしまいます。
⇒クレジットカード破産はリボ払いが原因?延滞、強制解約、強制執行の恐怖
公共料金の支払いに向いているカードは?
この点を考えると、公共料金の支払いに向いているクレジットカードからは、必然的にリボ払い専用カードが除外されます。
個人的におすすめなのは『REX CARD』です。このカードは年会費が2500円と高いため敬遠されがちですが、年間50万円の利用で次年度の年会費が無料になります。
毎月42000円以上の支払いがあれば、何もしなくても1.5%という還元を受けることができます。毎月の課金が42000円というのはそれほど高いハードルではないでしょう。
⇒家賃 税金 保険料全てカード払い可!お得にポイント貯める公共料金まとめ
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公共料金がポイント対象にならないカードもある
もう一つ注意しなければいけないのは、公共料金がポイント付与の対象にならないクレジットカード会社があるという点です。
国内のクレジットカード会社ではほとんどがポイントの対象となりますが、ダイナースクラブカードは対象外となるので、公共料金の支払いには向きません。もともと富裕層向けのクレジットカードなので、当然といえます。
また、三井住友VISAカードでは国民年金保険料はポイント対象外なので注意しましょう。
まとめ
公共料金を含め、毎月の課金をまとめてクレジットカード決済に切り替えるメリットがお分かりいただけたと思います。
同じ支払いをするのであれば、少しでもポイント還元して節約につなげるほうが賢い選択です。今はクレジットカード決済が使えない支払いでも、将来的には使えるようになる可能性もあります。
国民健康保険料や固定資産税、自動車税でさえカード決済できる時代なので、国税もクレジットカード決済できる時代が来るかもしれません。