みなさん、クレジットカード使っていますか?
ネットショッピングではクレジットカード決済が一般的になりましたけど、リアルの買い物ではまだまだ現金派の人が圧倒的に多いですよね。
2016年9月に内閣府が「クレジットカード取引の安心・安全に関する世論調査」をしたところ、「カードを積極的に利用したいか?」という質問に対して、
- 「そう思わない」:57.9%
- 「そう思う」:39.8%
(データ引用:http://www.jiji.com/)
という結果が出ています。
さらにローソン社長が株主総会で発表したデータによると、ローソン利用者の75%以上が現金払いだそうです。
つまり、日本人の約6〜7割はクレジットカード嫌いな現金主義なのが現状なんですね。
実際に、世界的に見ても日本人のクレジットカード嫌いは異常なレベルであることは、世界各国のキャッシュレス比率を見てみるとそれは明らかだと分かります。
日本のキャッシュレス率はわずか20%未満と驚くほど低いです。
しかし、なぜこうも日本人は現金主義でクレジットカードを使わないのでしょう?
現金とクレジットカードで商品の価格が変わるわけではありません。クレジット払いに対応しているお店は商品価格にカード手数料分を乗せていますが、それはカード払いの客も現金払いの客も平等に負担されます。
となると、理屈で考えたらクレジットカードで払った方がポイントがもらえる分お得なんですよね。
理屈で動くわけではないのが人間ですが、にしてもアメリカや欧州などの先進国に比べて日本はなぜカード利用が普及しにくいのか?
今回は、「日本人がクレジットカードを使いたがらない理由」について、私個人の思うところをツラツラと書いていきます。
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なぜここまで現金主義? 日本人がクレジットカードを使わない理由
理由1:日本は安全で現金を持ち歩いても特に困らないから
言ってしまうと、これがほぼ全てじゃないかと思うんですよね。「特に困らないから」。現金払いでマイナスになることがないから。
日本は現金主義でもほとんど不便を感じません。なぜなら超安全だからです、治安が。ズボンの後ろポケットに現金入りの財布入れていたってへっちゃらなレベルです。
アメリカや欧州がなぜカード大国になったかって、利便性に対する国民の金融リテラシーも少なからずあるでしょうけど、最大の理由は「現金を持ち歩いていると危ないから」です。
最近もリオオリンピックで治安が問題視されて強盗被害が懸念されていましたよね。それくらい日本に比べると外国はまだまだ危険なんです。現金を持ち歩いていると恐い。だからこそ彼らはカードを持たざるを得なかったわけです(カードなら不正利用されても大体の場合は被害額が保証されますので)
人間って「プラスになる」ことよりも、「マイナスになる」ことの方に過剰反応する生き物です。
「カード払いにすればポイントが付くよ」と言われても「あーそう……でもよく分かんないし今のままでいいや」くらいですが、「現金持ってると強盗にあうよ」と言われれば「絶対嫌だ!そんなのごめんだ!現金やめる!」となるんです。
それがカード大国になった欧米と、現金主義国のままの日本を分けた最も根本的な原因だと思います。
理由2:クレジットカードは借金というイメージが強い
「クレジットカードは借金と同じ!」と考えている人は多いです。中には「法的には借金とは違う」「一括払いなら借金にはならない」という意見もありますが、
- 一時的に立て替えてもらえる
- 身の丈を超える額を使えてしまう
という性質を考えれば、確かに借金というイメージを持って使った方が安全でしょう。
ただ「借金=悪」と考えるのは単細胞すぎだと思いますけどね。
一部、身の丈を超えた額を借金してカード破産に追い込まれる「頭の悪い人」が世間では目立つだけであって、むしろ上手く借金できる(=つまりお金をコントロールできる)人にとっては利便性の高いシステムだと思います。
どうしても借金する感じが嫌だという人は、銀行口座から即時引き落としになる「デビットカード」を使えば良い。口座残高以上の額は使えないので心配いらないし、サインレスでスマートに会計できますし。その代わりポイントは付かないですけどね。
私もコンビニスーパーや飲食店などの少額決済には 三菱UFJデビット を使っていますが、めちゃくちゃ便利で使いやすいです。普段の生活で現金を使うことはほぼありません。
カード大国と言われるアメリカでも、実際にはクレジットカードよりデビットカードが主流になっています。日本でもVISAデビットが誕生してから少しずつ普及し始めましたね。指定の銀行口座さえ持っていれば審査なしで誰でも作れる(15歳以上)ので、まだ持ってない人は1枚作っておいた方がいいですよ。
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理由3:バブル崩壊を経験したクレカ嫌いな親世代の教育
「借金=悪」の話から繋がりますが、日本はバブル崩壊を経験しているのも大きいと思います。
バブル全盛期はカード利用率が高かったと言われていますし、そこからバブル崩壊によって借金で破産する人が続出したことで、バブル世代にとっては借金(クレジット)が一種のトラウマになっています。
今の20代〜40代辺りの世代は、そんなトラウマを負ったバブル世代の親に教育されて育っていますから、
「借金は絶対にダメだ! クレジットカードなんか極力使うな!あれは借金と同じだ!」
という考えが教育レベルで刷り込まれている人も多いと思います。
実際に両親から「クレジットカードは便利」より「クレジットカードは危険」というイメージを持たされた人は多いのでは?
理由4:カードの不正利用が心配
クレジットカードというと、不正利用されるリスクにビクビク怯えている人もいますよね。
リスク的には現金も落としたり盗まれたら一瞬で使われるのでそう変わらないと思いますが、カードの場合は限度額上限まで不正利用されると百万単位で損失を被りそうな所が余計恐いですよね。
ただ、ほとんどのクレジットカードにはちゃんと不正利用の補償が付いています。
むしろ、盗まれたり落としたとしても電話一本でカード停止にできることを考えればクレジットカードの方が安全だと言えます。現金は失ったらその時点で終わりですからね。
ただ、カードの再発行はなかなか面倒なんですけどね。
私も一度経験がありますが、新しいカードが届くまでに時間があきますし、何よりカード番号が変わるので今まで登録していたサービスやらの登録カード情報を全部更新しなければなりません。これがめちゃくちゃ面倒でした。
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理由5. まだまだクレジットカードが使えない店がある
飲食店なんか特に、けっこう大きめのチェーン店でも未だにカード決済に対応していない店が意外と多い。地方の個人商店なんかはなおのこと。
カード会社への手数料をケチっているのかどうか知りませんが、カード決済のつもりで来店して「カード使えません」と言われると焦ります。手持ちの現金がないと恥かきますからね。私も現金を持ち合わせていなかったことが何度かあり、免許証をお店に預けて現金下ろしに行ったことありますよ。
たとえ100回に1回でもこういうことがあると、「結局、現金なら間違いないよね」ってなるのは当然なんです。
私も定食屋の「日高屋」によく行くのですが、日高屋は未だにクレジットカード払いができないのでたまに現金がなくて困るときあります。
まぁサイゼリヤのように、カード手数料分まで徹底的に削減して料理を1円でも安く提供するみたいな姿勢はありがたいので賛成ですけどね。
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日本人のクレジットカード利用率を上げるには?
2020年の東京オリンピックに向けて、政府は明確にキャッシュレス社会へと舵を切っています。
現在、日本国内で発行されているクレジットカードの総数は3億枚ほど。平均すると一人2枚〜3枚はカードを持っている計算です。つまり、普及率自体はそこまで悪くないんですよね。
ただ、持っているだけで使ってはいないということ。
さて、じゃあどうやって現状維持を好む日本人のカード利用率を上げていくかというと、私は「EC(ネット)からクレカ利用者を増やしていく。そして習慣化させていく」のが良いと思います。
先にも言いましたが、人間の心理って「トクをしたい」よりも「損はしたくない」の方が強いです。なので、「クレジットカードを使うとよりお得!」よりも「クレジットカードを使わないと損する!不便!」から攻めるのが得策ではないかと。
最近のWebサービスやネットショッピングはクレジットカード払いが当たり前になりつつあって、カード決済ならワンクリックで購入できたり、そもそもクレジットカードを持っていないと利用できないサービスも増えていますよね。最近盛り上がってきた格安SIMも多くがクレジットカードが必要です。
このように、「クレジットカードがないと損だし、不便」なインターネット決済からクレジットカード利用者を増やすのがまず先決。現にネットショッピングのカード売上高は毎年伸びていますし、「リアルは現金。ネットはカード」という人は着実に増えています。
こうしてクレジットカードを使うことが習慣化してくれば、リアルでもカード決済し始める人は少しずつ増えるていくと思います。
まとめ
本当はリアルショッピングでも「現金は使えない」「現金だと損をする」など、”カードを使わなければマイナスになる”要素をなにか作り出せれば一番手っ取り早いんですけどね。
クレジットカードに限らず、電子マネーもデビットカードも主流になる気配がないのを見るに、やはり「現金にマイナスがない」のが一番の原因なんでしょう。
【おまけ】カード利用率調査 〜1ヶ月にどれくらいクレジットカード使ってる?
マイナビウーマンのアンケート調査で「男女別の一ヶ月の平均クレジットカード利用額」を調査したところ、以下のような結果が出ています。
【女性】
- 第1位 1万~2万円未満……13.1%
- 第2位 10万円以上……12.1%
- 第3位 0~5,000円未満……10.15%
- 同率3位 2万~3万円未満……10.15%
- 同率3位 3万~4万円未満……10.15%
- 第6位 4万~5万円未満……9.7%
- ※7位以下省略
【男性】
- 第1位 10万円以上……18.8%
- 第2位 2万~3万円未満……15.3%
- 第3位 利用しない……10.85%
- 第4位 0~5,000円未満……9.9%
- 第5位 4万~5万円未満……7.4%
- 第6位 1万~2万円未満……6.9%
- ※7位以下省略
男女とも1位と2位3位をみるに、「使う人」と「使わない人」がどんどん二極化が進んでいるように見えますね。