VISA、MasterCard、JCBーークレジットカードには、「国際ブランド」と呼ばれているカードブランドがあります。
カードブランドには、日本国内でしか利用できない「国内ブランド」と、国内外で利用できる「国際ブランド」があります。簡単に違いを説明すると、クレジットカードが使える加盟店が海外にもあるかという違いですね。
主な国際ブランドとして、
- VISA
- JCB
- マスターカード
- アメリカン・エキスプレス
- ダイナースクラブ
この5つは一般的に5大ブランドと言われますが、もっと言うとVISA・マスターカード・JCBで3大ブランドとされています。日本のクレジットカードの多くがVISA・マスターカード・JCBの3種類からブランドを選べますよね。
日本のクレジットカード会社はJCBを除いて国際ブランドを持っていないので、海外で利用できるクレジットカードを発行するためには、国際ブランドと提携するしかありません。なので主要な日本のクレジットカードはJCB以外のほとんどが国際ブランドと提携しています。
そこで今回は、この国際ブランドの違いや選び方をご紹介します。
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単独で国際ブランドのクレジットカードを発行できるのは日本では2社だけ
日本では、三井住友カードとJCBだけが単独の国際ブランドでクレジットカードを発行しています。
正確に言えばそれぞれ銀行グループ内でJCBグループやVISAグループを持っているので、発行会社は複数あります。「単独の国際ブランドでクレジットカードを発行できる権利を持っている」といったほうが正しいかもしれません。
単独の国際ブランドはカードデザインがシンプルでスタイリッシュ
単独の国際ブランドのメリットは、カードデザインがすっきりするという点です。グチャグチャと色んな組織のロゴがないので、シンプルでスタイリッシュな印象を与えます。
例えば、オリコがVISAカードを発行するとVISAのほかにオリコのロゴもクレジットカードに印刷します。これはダブルブランドと言って日本では一般的な発行形態です。
さらにオリコの提携カードになると、ここに提携企業のロゴも加わるのでトリプルブランドとなります。狭いカード面積の中で三つもブランドロゴが印刷されていると、カードデザインも限定されるし、何よりデザインが洗練されません。
こちら、カードデザインの不評が多い楽天カード。いくつものロゴがベタベタ貼ってあってお世辞にもカッコいいデザインとは言えません……。
また海外で利用する場合、ロゴが数多く印刷されているクレジットカードは信用度が低い傾向にあります。海外では実際に、アニメのキャラクターカードを使おうとして警察に通報された実例もあるので、単独ブランドで格調高いデザインのほうが海外では使いやすいでしょう。
その点で、単独ブランドのクレジットカードは信用度が高いと言えます。
国際ブランドによって違うサービス
国際ブランドの中でも、VISAとマスターカードは自社でクレジットカードを発行していません。ブランドとサービスを提供するだけの「ブランドホルダー」と呼ばれています。
提供するサービスは基本的なもののみで、加盟店やATMネットワークを利用できる機能と、優待サービスの提供です。
自社でクレジットカード(プロパーカード)を発行しているJCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブの場合は、プロパーカードで提供しているサービスの一部を、他社(提携カード)にも提供しています。
⇒プロパーカードと提携カードはどちらがお得?特徴の違いやメリット比較
基本機能は別として、国際ブランド独自のサービスについては各ブランドによって違いがあります。
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決済カードとT&Eカードのサービスの違い
クレジットカードのブランドは「決済カード」と「T&Eカード」に分けられます。
- 決済カード:VISA、マスターカード
- T&Eカード:JCB、アメックス、ダイナースクラブ
T&Eはトラベル&エンターテイメントの略で、旅行向けサービスやレジャー施設、アミューズメントパークといった娯楽施設でのサービスに特長があります。
VISAとマスターカードは決済カードと呼ばれていて、ショッピング向けサービスを提供するクレジットカード本来の機能を重視したサービスに特長がありますね。
VISAとマスターカードは決済カード
VISA優待サービス
VISAブランドのあるクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードでは、VISAが提供する優待サービスを受けられます。
VISAでは特に免税店でのサービスが充実していて、ロッテ免税店での5%~15%割引の特典などがあります。グアムやアジア地域、ヨーロッパなどの観光地を中心として優待サービスを提供しています。
マスターカード優待
「プライスレス」というのはマスターカードがTVCMで使ったキャッチフレーズですが、「プライスレス+地名」の名称で各国の優待サービスやキャンペーンを展開しています。
各国の宿泊施設やレストラン、レンタカーなどの割引があります。例えばアメリカではレンタカーが10%オフといったハーツレンタカー度提携したサービスがあります。
T&Eカードはサービスが豊富
同じT&Eカードでもそれぞれ特長があります。
JCBは東京ディズニーリゾートとの提携を生かしたサービスに特長があり、アメリカン・エキスプレスは海外旅行向けサービス、ダイナースクラブは高級店でのサービスに特長があります。
JCBブランドのサービス。ディズニーがお得!
JCBの優待サービスは全国あらゆる業種で展開されていて、JCBの発行するプロパーカードだけではなく、JCBブランドのクレジットカードであればサービスが受けられます。
優待サービスのある店舗はインターネットの「JCB優待ガイド」というサイトで検索できます。また、各種キャンペーンも行われています。
例えば「JCBマジカル2016第2弾」では5万円のカードショッピングを1口として応募し、東京ディズニーリゾートでの宿泊パックやチケットなどが当たります。
JCBはディズニーのスポンサーなので、ディズニー関連サービスに強いです。ディズニー好きの人はJCBカードを1枚持っておくと良いですよ。
公式サイトJCBカード
アメリカン・エキスプレスの海外旅行向けサービス
アメリカン・エキスプレスでは海外旅行向けサービスが充実していますが、提携カードの場合は年会費などで受けられるサービスが限定します。
同じアメリカン・エキスプレスブランドのカードでも年会費によってサービスには大きな違いがあるので、申込前にチェックしましょう。主な海外旅行向けサービスには次のサービスがあります。
- 空港パーキング
- 無料ポーターサービス
- 空港クロークサービス
- 手荷物無料宅配サービス
- 海外用レンタル携帯
- エアポート送迎サービス
- 空港パーキング
- 無料ポーターサービス
- 空港クロークサービス
- 海外旅行先での日本語サポート
ダイナースクラブのサービス
ダイナースクラブはアメリカン・エキスプレスほど提携カードを発行していません。マイレージカードとして「ANAダイナースカード」ありますが、年会費を安くした提携カードはないので、限られた提携カードでもほとんど本家と同じサービスの利用ができます。
ダイナースクラブは世界初のクレジットカードと言うステータスもあり、サービスの質も高いという特長があります。
主なサービスは次の通りです。
- 国内外の空港ラウンジサービス
- エグゼクティブダイニング(高級飲食店でコース料金半額など)
- コナミスポーツクラブの法人会員無料
- 一休.com(レストランの24時間オンライン予約)
- 名門ゴルフ儒優待予約
- 国内クラブホテルズ(国内のホテル・旅館の優待サービス)
- 海外クラブホテルズ(海外のホテル・旅館の優待サービス)
最高峰のブランドなので、ハイクラスなサービスがずらりと並びます。
⇒ゴルフ場予約・割引・保険まで!ダイナースクラブカードはゴルファー必携です。
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国際ブランドの選び方
同じ国際ブランドでも、かなりサービスには違いがあります。まずはクレジットカードでどんなサービスを利用したいのかはっきりさせましょう。
そのうえで複数のクレジットカードを利用するのであれば、なるべく異なるブランドを選択するのがベストです。
ショッピング利用がメインならVISAかJCB
国内のショッピング利用がメインの場合は、VISAやJCBがおすすめです。どちらも国内で利用できる加盟店はトップクラスです。
海外でのショッピングにも利用する場合は、JCBがやや角落ちします。VISAとマスターカードはどちらも使える加盟店数に大きな違いはありません。
本家プロパーカードを持つなら、VISAは国内最大手の三井住友VISAカード、JCBはJCBカードが最もおすすめですね。
公式サイト三井住友VISAカード
公式サイトJCBカード
海外旅行にクレジットカードを活用したい人はアメックス
アメリカン・エキスプレスは海外での買い物はもちろん、海外旅行に便利なサービスが豊富です。
一般的なクレジットカードに比べて審査基準は高いですが、海外旅行が多い経済的余裕のある人であれば、それほど入会は難しくないでしょう。
⇒アメックス総まとめ!グリーン、ゴールド、プラチナ、ブラックまで最高峰ブランドカードを一挙紹介!
本家のアメックスは年会費が万単位でかかるのがややネックですが、セゾンと提携した「セゾンアメックス」なら年会費が劇的に安くなります。
「パール」「ブルー」「ゴールド」「プラチナ」と種類とグレードも豊富に揃っています。
ステータスを重んじる高級志向の人はダイナースクラブカード
ダイナースクラブのブランド力は、クレジットカードのステータスの高さではほかのブランドと比べて抜きんでています。
以前は年収700万円が最低ラインとされていましたが、現在では公式サイトでもそのような表記はなくなり、ハードルはやや下がっていると言われています。
それでも、ダイナースクラブが数あるカードの中でも抜群のステータスを誇ることは変わりありません。クレジットカードでリッチで贅沢な体験をしたい人にこそ、ダイナースクラブカードがピッタリです。
公式サイトダイナースクラブカード
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作るなら今!ダイナースクラブカードの審査基準やカード種類を徹底解説
ダイナースクラブは、クレジットカードのブランドの中でもトップクラスといえるステータスを持つブランドです。 ブランドの中で”一般カード”に位置付けされる「ダイナースクラブカード」の年会費は実に22000 ...
まとめ
1970年代の海外旅行ブームがきっかけとなり、日本のカードにも「海外で使える」というニーズが劇的に高まりました。それまでは国内でしか使えない国内カードがメインでしたが、今では国内のみ使えないクレジットカードはほとんど見かけません。それだけ国際ブランドは今の時代は一般的になっています。
自分が必要としているサービスが充実している国際ブランドを選ぶだけで、クレジットカードの使い方は大きく違ってきます。今回ご紹介した国際ブランドの特長を理解して、自分に合っている国際ブランドを選びましょう。